∞備忘録 ハルキ

°C-ute→関ジャニ∞へ担替 2017.6〜の新規 低身長スキル厨

羊の木

関ジャニ∞錦戸亮主演

羊の木

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感想と考察です。ネタバレ含みます。

 

感想
・全体について
正直見終わってすぐは、そこまでの印象はなかったのですが、後からじわじわといろんな場面を考察してしまう作品。
作中で回収される伏線と、グレーのままになっている部分があって。舞台挨拶等でも言っていたようにグレーのままの部分は見た人に委ねられた。
何回か見たらまた別な感想が出てくるかも知れない。

 

・各役者さんについて
前評判の通り、錦戸亮がとてもただの市役所員月末一にしか見えず…。もっと顔まで薄くなった気がしたのは凄かった。ただの好青年だよ!
そしてシリアスな顔をさせたらとてもいい。グッと引き込まれた。
ただしベースを弾くシーンは月末ではなく、錦戸亮でした。この錦戸亮知ってるぞ!という立ち居振る舞い。かっこいいけどね。

 

北村一輝演じる杉山。歩き方からガラの悪さが滲み出ていて凄かった。顔を見せていないのに遠くからでも杉山だと分かる。
しかしなぜ車と同じ直線方向に逃げたのか…。私が彼ならば船か海に向かうのに。

 

松田龍平は得体の知れない役をやらせたら本気ですごい。最初から最後まで得体が知れなかった。月末以上に彼を疑い続けてしまった。
殆ど表情に変化がないんだけど、初めてバンド聞きにきたところは可愛い。

 

そして優香がただひたすらにエロかった。吐息が近い……。うん。パパドル!とは大違いでしたわ。

 

個人的には須藤と田代が好きでした。須藤後半全く出番なくなるの勿体ない。その後どうなったのだろうか…。

 

 

考察
ただの個人的見解です。見た人それぞれに意見があって良いと思いますので

 

・音について
この映画は、映像よりも音に集中して聞いていた。
冒頭の元受刑者の6人を受け入れる時の鐘みたいな和音(詳しくはわからないが金属音)。最初は単音だったが、宮腰受け入れるあたりで不協和音になっていったと思う。


そしてバンド演奏時のギター音。耳障りだと思っていたんだけれど、岬での月末と宮腰のシーンかな?でもずっとその音がしていた。

 

・エンドロールについて
一般的に下から上に流れるものだと思っていたのですが、この映画では右斜め下に流れていく。
初めは黒い背景が、終わりに向かうにつれて明るくなると海だったことがわかる。2人が海に飛び込んだことを彷彿させていた。


そしてエンドロール時のBGM、タイトルがDeath is not the end。じわじわときた。
罪を償った者にとってはこれからがあると思わせるし、その一方では宮腰はまだ生きているのかもしれないとも思わせられる。

 

・栗本と羊の木について
残された元受刑者達は栗本を除いてそれぞれにあの街で居場所を見つけた。栗本については人との関係というところに居場所があるようには描かれていなかった。死んだ生き物を埋葬し、供養することが彼女にとっての居場所なのだろう。


最後に羊の木の絵皿と同じ形になるのだけれど、真ん中のところから新たに芽が出てきていた。さよならじゃないよ、新しく木になるんだよ、の言葉の通りに。この映画で唯一生を感じるシーン。死と生の関係を一番感じていたのが彼女だと思う。

でも結局羊の木が何なのかは分からなかった。

 

・宮腰と月末と文について
月末には特に最初の宮腰から前科を聞いたとき、そんな簡単に信じるなよと思ってしまったんだけども。魚美味しそうですね、が嬉しかったんだろうな。それが月末というキャラクターなんだろう。
宮腰が月末を殺せなかったのは、結局友達だったからかと。宮腰の言っていたことが本当かどうかはわからないが、友達じゃなければあっさり殺されていたんだろう。
福本のくだりであったように、彼らは居場所が必要なんだと。宮腰にとって、月末は(文も?)居場所だったんだろう。月末は文と宮腰の仲に嫉妬するけれど、宮腰も自分にはこれまでなかった仲間とか友達とかそういう絆を2人から感じ取ってそれに憧れていたんだろう。その一員になりたかったんだろう。

 

文についてはまだ消化しきれていない。

 

最後に、宮腰は生きていると思う。物理的に考えればいくら水中でも青銅製?の重量物が落ちてきたらそのまま海底まで押し潰されそうではあるが。
もし宮腰が死んでしまっていたのならば、月末なら自分がもっと早く気づいていればとか、岬に一緒に行かなければとか思い悩みそう。そして文とラーメンに行くことにはならなかったと思う。


まとめ
映画を見終えてから、他の方の考察をいくつか拝見しているのですが、それぞれ気になった部分や考え方が違っていて面白い。
前述したようにもう一度見たら考察した内容も変わってくると思う。今回はたぶん月末に感情を乗せてみていたんだけど、他の登場人物の視点で見たら他の感想を持っただろう。

 

サスペンスの部分はあるけれど、社会的な側面もある作品。これからの評価が楽しみ。
この作品に錦戸亮が主演していたというのは結構彼の今後に大きく関わりそう。自身でも言っていたけれど、彼の代表作になると思った。


余談
ところであれだけ大きなものが落下するのは管理上どうなのかと。それこそ市役所の不備…。いくら海風に曝され錆びていようとももっと早い段階で整備できたろうに。


なんてね。