∞備忘録 ハルキ

°C-ute→関ジャニ∞へ担替 2017.6〜の新規 低身長スキル厨

ばしゃ馬さんとビッグマウス

関ジャニ∞安田章大主演

ばしゃ馬さんとビッグマウス

見ました。

安田章大推しとしては見ておかなければならないと思っていた1作。なんの予備知識もなしに見ましたが、一応あらすじは下記の通り。

 

次々と脚本コンクールに応募するものの、一次審査すらも通らない34歳の馬淵みち代(麻生久美子)。そんな彼女と同じシナリオスクールに通う26歳の天童義美(安田章大)は、自分の作品をほとんど書いたことがない割には、常軌を逸した毒舌で他人のシナリオを酷評する。そんな彼らが出会ってしまい、何と天童がみち代にほれてしまう。嫌味な自信過剰男だと自分を嫌うみち代に認めてもらおうと、ついにシナリオを書くことを決意する天童。意外な彼の真摯(しんし)な姿に、みち代も心を開き始めるが……。

(↑公式サイトは消えてしまっていたのでYahoo!映画からの引用ですが)

 

ここから感想(ネタバレ含みます)

 

◼️キャストについて

監督が安田章大を初めて見た時に、「天童がいる」と思った、という話をしていまして。正直開始から1時間の天童はひたすらに救いのないクズでなんでこの役が安田章大に来たんだろうと思っていたのですが…、カラオケでプレゼントをあげるシーンがまさに天童義美=安田章大でしかなかった。やたらでかいリュック背負ってるなと思ったわ!ギター出して歌い出すし(最後クレジットで「天童義美のラブソング(作詞作曲:安田章大)」を見たときにはやっぱりな、と思いました。

なんていうか人間味が凄くあるんだよね。安田章大の演じる役には。フラジャイルやドラゴン青年団のようにそこらへんにいそうな、とは少し外れるけれど、ちょっと独特ででも真っ直ぐで。覚醒後の天童はどこか安田章大に重ね合わせて見てしまっていました。

どこのラーメン屋に行けば安田章大バイトしてますかね?

 

麻生久美子をちゃんと見たことなかったけれど、馬淵がやる気ないときはちゃんとやる気ないし、きちんとけしょしたらふつうに美人だし。

馬淵はあんなん狡いですわ。松尾の前で別れ際に泣くのも狡いし。部屋に行ってしまったらそりゃそうなるって分かってるし。天童に電話しちゃうのも狡いし。でもわかる。凄くわかる。わかるからなおさら狡いと思う。

 

何より松尾がいい男なんだよね。現実を生きている中で優しくもあって、そりゃ馬淵も甘えちゃうし、簡単にちょっと好きにもなるよ。岡田義徳凄い。

 

秋野暢子もぴったりだったし(安田章大とだんだん顔が似てるように見えてくるからね)、介護センターの職員さんも入居者役の方々もみんなそれぞれに実在するんじゃないかなって。この話は登場人物が決して多くはないんだけど、だからこそそれぞれのキャラクターがよく見えたし、みんながみんな上手かった。

 

◼️演出について

結構細かいところ色々気にしているなと。

天童の部屋のごちゃごちゃさとか小物とか、馬淵の部屋のリアルさとか。結婚式の余興後に化粧が残ってるとことか。

衣装も良かった。天童は一貫して派手。馬淵の最初はやる気のない感じから、介護ホームで働くときのTPO重視のシャツとジーンズ(この話馬淵はチェックシャツ多目っていう設定)、ラストシーンのオレンジのワンピースとコートが凄く可愛いくてセンスがあった。

部屋着は見たのかよってな重ね着。暖かければなんだっていいのよ感がとてもリアル。全体的に服装で季節が感じられて時の流れがわかってよかった。

 

一番こだわってるなと思ったのは、馬淵が郵便局でシナリオを投稿するシーン。冒頭と、最後と。完全に重ねているけど、その背景(心情面での)は違っていて。最後のシナリオを出したあと、郵便局から自転車で颯爽と去る馬淵と街の風景と。馬淵が前を向いているのが伝わったし、なんかこちらまでスッキリした。

 

◼️ストーリーについて

この話のテーマが夢を叶えることの難しさと、諦めることの難しさ。

自分は長いこと夢なんて抱いてないし(そもそも大それた夢を持っていたわけでもないが)、諦めようと思ったわけでもなく、なんとなしに生きてしまっているので(現実主義といえばそうともいう)、むしろ夢を追っている人に対してすごいなと思う。

下積み時代に諦めずに努力してアイドルという夢を叶えて、それでもまだまだやりたいことがあるからって努力を続ける安田章大、いや関ジャニ∞に少し重なる気がした。

 

シナリオの参考までに聞きたいんだけど、ってくだりを天童がやって、馬淵が松尾にやって、また最後に天童がやって。馬淵も自分も同じように言ってしまってるから、冗談にしたいけどしたくない天童の気持ちも分かるだろうし、だから2回目は答えるまでにちょっと間があったんだろう。もちろん天童に対する見方や思いも1回目の時とは全く違うけれど。

でも最後のシナリオを終えて、次に向かって前を向いてる馬淵は最後まで前を向いていたからそこが良かった。かっこよかった。

 

ちなみに私が一番好きなシーンは、天童が母に会いに行った場面。話しながらみかんを渡されるくだりで、一回断るのもいいし、その後の「食べり」。皮も剥いてくれてるし断れない。好き。

 

◼️最後に

安田章大に演技させたらなかなかいい仕事するなと改めて感じた作品でした。ウィキペディアによると、その年のキネマ旬報の最優秀新人男優賞にわずか1票差でなり損ねたとか。ジャニーズって穿った見方をされがちだけれど、彼(と風間俊介)は言わなきゃジャニーズってわからないかもしれないくらいにその中に溶け込んでいる。監督や作品との相性が良いのもあるとは思うが、そういう風に使って貰えているのは良いこと。

 

今はまず怪我の治療が最優先ですが、落ち着いたらまた演技のお仕事をしてくれたら嬉しい限りです。